岩井俊二監督が、高校生たちの揺れ動く心情をリリカルで繊細なタッチでつづった青春ドラマ。ネットで配信した4つの短編が、長編作品として再構成された。あこがれの先輩を「記憶喪失」だと信じこませ、つき合い始める花と、彼女の親友アリス。3人の微妙な思いがもつれていく。
特に大きな事件が起こる訳でもなく、結構淡々と物語りは進行していく。
岩井俊二作品は変な先入観があって避けていたのでTVで流れていた「打ち上げ花火」くらいしか観た事がなかったんだけど本作は素直に観れた。
花とアリスは親友で中学3年の冬、登校まえに2人で寄り道して駅で見かけた高校生（宮本とその他一名）にそれぞれ一目惚れした2人。
花（鈴木杏）は惚れた宮本先輩をモノにするためにアリス（蒼井優）を巻き込んで宮本を記憶喪失者に仕立てあげるシーンはあまりの強引さにクスクス笑ってしまった。
でも観てる限りではあれだけボロがでてるんだから騙す方より騙される方が悪いよ（w
疑惑を持ちながらも花の強引さにズルズル花との交際を続ける宮本は花の嘘に巻き込まれて宮本の元カノにされてしまったアリスに恋してしまう。
最初は花に頼まれてもの凄い棒読みの台詞で先輩に嘘をつくアリスだがやがて宮本に対して仄かな恋心を抱くようになり三角関係に陥る3人。
3人で行った海のシーンと花に隠れて宮本とデートを重ねるアリスがデート中の会話から遂に馬脚を現して全ての嘘がバレたあと海での思い出のトランプを絡めたお願いと離れて暮らす父から教わった中国語で宮本に愛の告白をして立ち去る別れのシーンが一番好き。
その後、嘘がバレている事も知らないままアリスのために全ての嘘を告白する花、いや〜青春だなぁ（w
実際には映像で表現されていない花とアリスの出会いのシーンがあるんだけどそれまでの2人の台詞のやり取りと風景映像と2人の共通の友人が語る台詞から2人の出会いがパッと頭に浮かんできた。
必要以上に語ったり説明してないのに説得力があって最初から最後まで中だるみする事無く楽しめた。
かなりお勧め。
コメント