新・明暗

2004年11月20日 演劇
主演は佐々木蔵之介。

原作は夏目漱石の「明暗」で残念ながら漱石の死をもって未完のまま連載が終了した小説。
本作は原作世界を現代に置き換えて演じられている。

大阪は今日、明日の2日のみの公演なので客入りは満員で俺が見た感じでは空席は殆ど無く、観客は蔵之介目当ての女性が9割以上を占めていて男性客は非常に少なかった。

例のごとくあらすじ等は省略しようと思ったけど劇団のHPがあったから
http://www.nitosha.net/stage/meian5.php
で、感想ですが期待していた以上に面白かったです。
シリアスで真理を突く場面と馬鹿馬鹿しいまでに笑える小ネタも満載で休憩込みで3時間の長丁場も楽しく見られた。

結局、人は変われないのね・・・。
主人公のダメっ振りは大抵の小市民にもあてはまると思う。
もちろん俺も。
自分を守る為に都合の悪い事はなかなか見ない、言わない、聞かないの3拍子が揃っている。

妻と結婚する前に突然自分を捨てて自分の友人と結婚した恋人に何故自分を捨てたのかを聴く為に上司の妻(吉川夫人)の手引きで鄙びた温泉まで馳せ参じる主人公。
勇気を出して自分を捨てた理由を聴いてみたものの二転三転する意外な返事とその後の展開に恐れをなし結局土壇場になって逃げ出して元よりも居心地の悪くなった家へ戻っていく。

ありがちなだけに笑うに笑えない悲劇な喜劇、でもまぁ主人公ならそんな中でも上手く立ち回っていくだろうと思う。
ラストで仲の悪かった妻と2人の小姑(吉川夫人と実妹)の利害が一致したため仲良くなって主人公を待っている。
家の前で主人公が家の前で「(家に戻る前に)もう少しだけこの(外の世界の)空気を吸っていたい」って吐いた台詞が泣かせる(w

しかし佐々木蔵之介って良い役者さんだな、また機会があれば見てみたい。
個人的に実物を見た中では仲村トオルと双璧の良い男である、演技力は仲村の数段上を行ってるけど。

某掲示板で某女優さんが台詞カミカミって書いてあったけど今日は多分全く咬まなかったと思います。

原作はwebで無料公開されているので興味のある方はご覧になって下さい。
http://www.wao.or.jp/naniuji/natume/meian.htm

舞台では設定を現代に置き換えただけでなく原作のラスト以降も脚本家が創作して一応完結してます。
因みに俺はまだ原作を読んでません(w

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