ISBN:4054002536 単行本 遠藤 允 学研 1994/03 ¥1,533
美少女コンテストの常連だった主人公中堀由希子。その美しい少女に、突然病魔がおそいかかる。18歳の春のことだった。病名は白血病。由希子には骨髄移植しか助かる道はなかった。苦しい闘病生活のかたわら、彼女は骨髄バンクへの協力を訴えつづけ、テレビコマーシャルにも出演した。しかし…移植があまりにも遅すぎたのだった。


コレは初版が発売された直後に既読なんだけど、久々に取り出して読んでみた。
やっぱ現実はドラマよりも濃いね…中堀さんとは歳も近いから当時もグッときたけど、11年経って改めて読むと当時とは違った読後感がある。
当時は本よりも15秒のCMの方がインパクトあったしね。
同年代やそれより上の世代の人は1回はCMを見てるはず。

彼女のCM効果で骨髄バンクの存在が世に広まったと言っても過言じゃない位の反響が当時はあったと聴いている。
実際に最初は関西ローカルのCMだったのに新聞・雑誌に取り上げられて、最終的には首都圏でも流れたらしいからね。(元々は電通関西支社がボランティアで製作しMBSが放送していた)
11年経ってドナー登録者数は当時10万人を目標に対して2005年1月現在では20万2457人と当初目標の2倍になっているそうだ。

因みに当時、和久井映見主演でTVドラマ化されてたね。

アキハバラ@DEEP

2005年4月7日 読書
ISBN:4163235302 単行本 石田 衣良 文藝春秋 2004/11/25 ¥1,700
電脳街の弱小ベンチャー「アキハバラ@DEEP」に集った若者たちが、不眠不休で製作した傑作サーチエンジン「クルーク」。
ネットのあくの帝王にすべてを奪われたとき、おたくの誇りをかけたテロが、裏アキハバラを揺るがす。


読み始めるまでにかなりの時間を要したけど、読み始めたらあっと言う間に読みきる事ができた。
中盤のクルーク開発話〜悪の帝王こと中込威との絡みが出てくる中盤以降は非常に面白く読めたけど最後のオチがかなりの力技だったのが残念。
でも面白かったからいいや(w

-追記-
面白いけど設定等には目新しさは特に無いです、出てくるオタもステレオタイプですし。
色々書評を見てみると登場人物の吃音描写とかIT業界の内情とかには難点があるそうですが俺は知り合いに吃音者もIT業界の人間もいないので全く気になりませんでしたが(w

中込威のモデルがSBの禿だろうとかAIのイルカがMSのアシスタントがモデルじゃないかとか色々直接関係ない事を考えるのも楽しかった。

貸し出し期間が過ぎてるので早く返しに行かないと(´・ω・;`)

約束

2005年3月27日 読書
ISBN:4048735497 単行本 石田 衣良 角川書店 2004/07/27 ¥1,470
もういちど、生きよう-。苦しみから立ちあがり、うつむいていた顔をあげて、まっすぐに歩きだす人々の姿を色鮮やかに切りとった短篇集

作品としては石田氏の著者「LAST」の対極にある作品。
どの話にも必ず救いがあるのでハッピーエンドの物語が好きな人なら安心して読める。
ただ登場人物の行動や台詞も何処かで見たり聴いたり読んだりしたようなのが多かった気がする。(別に悪い事ではない)

最初にあとがき読んでから(変な読み方だがw)本編を読むといいかもしれない。
あとがきで石田氏が記しているように小説は出来不出来ではなく(読み手の心に)届くか届かないかなのだと思います。
綺麗事過ぎる気もしますが、現実があまりにもオドロオドロシイ現代だからこそ物語は綺麗事の世界でいいのかもね。
暗くて救いの無い話も悪くないけど疲れるから。

個人的には表題作の「約束」と「青いエグジット」(ヒッキーもの)「夕日へ続く道」(不登校もの)がお勧め。

ラヴレター

2005年3月25日 読書
ISBN:4043441010 文庫 岩井 俊二 角川書店 1998/03 ¥460
雪山で死んだフィアンセ・樹の三回忌に博子は、彼が中学時代に住んでいた小樽に手紙を出す。天国の彼から? 今は国道になっているはずのその住所から返事がきたことから、奇妙な文通がはじまった。

勘違いから始まった文通、ご都合主義の塊のような作品だけどなかなか面白く一気に読みきりました。(まぁ、内容が薄いってのもありますが・・・w)
著者が映像畑の岩井俊二って事もあるのか、読むと頭に映像が浮かんできたのもパパっと読めた理由かな。

間違えて返却された英語の答案用紙を交換するやり取りや藤井樹探しゲームのくだり、そして最後の樹が残した画。
最後の最後に樹も樹に恋してた事に気付くシーンは良かったです。

映画化もされてる作品だけど実は未見です。
映画では中山美穂が主演したのですが、僕の頭の中の樹は何故か市川実日子でした(w
ISBN:4163237704 単行本 石田 衣良 文藝春秋 2005/03/10 ¥1,600

読みやすい文体なので読み出すとサクサクとページ進みます。
マンネリといえばマンネリですが短編4本全て楽しく読めました。
作品自体も好きなんだけど基本的に石田衣良の文体が好きなんだろうと思います。
石田氏の作風が合わない人には独特のナルシズムが鼻につくと思いますが・・・。

本書の中では「伝説の星」が一番のお気に入りです。
ISBN:4757513860 コミック 荒川 弘 スクウェア・エニックス 2005/03/11 ¥410

実は10日にフラゲしていたのに手を付けないままになっていたので『BAT BOY』を観にいく時に移動の電車内で読みました。
が、しかしその最中に重大な問題に気が付きました・・・。
9巻までの内容を思いっきり忘れていました(w orz
あんま意味が判らんまま読み続けましたがそれはそれで面白かったのでOK!です。
時間だけはタップリあるからこの土日の間にもう1回1巻から読み直そーっと。

次は7月です、コレにしてもBECKにしても月刊モノって待つのが辛いね〜。
あ〜ガンガンを立ち読みしたい誘惑に耐え続ける4ヶ月なのね。

ブルータワー

2005年3月7日 読書
ISBN:4198619182 単行本 石田 衣良 徳間書店 2004/09/16 ¥1,785

正直、読む前はあんま期待してなかったんだけど読み出したら止まらなくなって一気に読みきってしまった。

主人公は40代のサラリーマン瀬野周司、彼は時価2億円は下らない高級高層マンション「新宿ホワイトタワー」に美しい妻と2人で暮らしている。
一見幸せの絶頂にいるように思えるが彼は悪性の脳腫瘍に侵され余命数ヶ月。
ある日、脳腫瘍による激しい頭痛で意識を失った周司が目覚めるとそこは200年後の世界で彼はセノ・シューと呼ばれる人間として行動していく事になる。

200年後の世界では東西中国の分裂に伴う東西大戦の末期に劣勢にたたされた西側がインフルエンザに悪意に満ちた遺伝子操作を加えた生物兵器『黄魔』を散布し全人類の9割が滅亡し、地表は黄魔に汚染され残された人間は全長2?にも及ぶ巨大な塔内で生活していたが全ての人間が塔内に住める訳もなく塔の内外、内部でも生まれた場所の高度によって階級差別や支配関係が発生し抑圧された人民の不満が爆発し内戦が起ころうとしていた。

現代と200年後の世界を往復し黄魔撲滅と内戦の停止に奔走する周司。
200年後の世界では周司は「青の塔の嘘つき王子」として黄魔を制圧し全ての民を地上に解放する救世主として登場が予言されていた、様々な協力者たちの力を借り問題解決に奔走するも遂にシュー(周司)も黄魔に感染発症する、シューに残された時間は僅か・・・。
果たして周司は200年後の世界を救えるのか?

この作者の作品は好き嫌いが結構分かれると思うけど俺は結構好き。
設定の甘さ、心情描写の幼稚さを指摘する向きもあるがこの作品に関しては俺は全く気にならなかったね。
400ページを超える長編で石田氏の作品では一番長い作品だけど結構サクっと読めたね。

次は「アキハバラ@DEEP」を読む予定。
早くIWGPの続編でないかな、波のうえの魔術師の続編も出たらいいのに。(後者は無さそうだけどね)
ISBN:4094080244 文庫 益子 昌一 小学館 2004/04 ¥460
取りあえず関連書という事で原作と一緒に借りてきたのを読了。

基本的に映画版のノベライズなんだけど視点が主人公の朔太郎ではなく現在の彼の婚約者である律子の視点で物語は進む、要は映画で語られなかった部分の補足が中心。
原作を読んで映画を観てない人が読んだら登場人物の相関図や行動が異なっているので「?」な部分もあるけど映画を観た人なら、映画のあのシーンはこういう意味や出来事があったのねって感じで楽しめると思う。

この作品「世界の中心で、愛をさけぶ」は原作があって映画化されその後TVドラマが作られた訳だがそれぞれ微妙に人物の相関が違っており、俺は逆順で観たり読んだりしたので原作の設定が一番頭に残っていて映画版の設定を引きついだこの本では一瞬頭ん中がこんがらがってしまって時々映画を思い出しながら読んだので読み終わるまでにチョット時間がかかった。

この本は映画版のノベライズのはずなんだけど原作と違う設定なのは良いんだけどさ映画自体とも設定が違うんだけど・・・(w
映画では律子は子供の頃交通事故にあって足に障害が残っているがこの本では足に障害なんて無いしそもそも子供の頃に交通事故にあったなんて話自体でてこない。
それどころか律子のお腹には律子と朔太郎の子供までいる、妊娠初期の妊婦が飛行機に乗りまくって大丈夫なんだろうか?
しかもオーストラリアの砂漠を車で移動しウルルまで行くなんて事はあり得んだろう。

あと質問なんですけど病院に入院する時ってある程度の年齢に達した男女が同じ病室に入院するってあるんですかね?
ISBN:4093860726 単行本 片山 恭一 小学館 2001/03 ¥1,470

言わずと知れたセカチュウの原作である、ブームも過ぎ去ったみたいなのでブーム真っ只中では借りられなかったので今頃漸く読了。

俺がコレを観たのはTVドラマ→映画→原作の順で、映画化、ドラマ化されるにしたがって色々と脚色されてたのね。
ドラマや映画で使われたウォークマンを使った交換日記は原作には出てこないし(普通の交換日記)朔太郎とアキの関係も中学時代から半ば公認だったんだね。

あとキメ台詞の「助けて下さい!」は原作のが一番インパクトあったね、映画やドラマのは取って付けたように感じたから。
誰かが演じたものよりも文章から読み取った内容を自分の頭で膨らませる方が同じ内容でも心へ響くのかな。
最後のアキの遺灰の残りを2人の母校(中学)の桜並木で桜吹雪とともに風に流すところは良かったかな。
でも、やっぱり泣けなかった・・・俺の心は荒んでいるのだろうか?

この本を読んでたらこのFLASHを思い出したよ。

http://pya.cc/pyaimg/pimg.php?imgid=6468

800

2005年1月18日 読書
ISBN:4043648014 文庫 川島 誠 角川書店 2002/06 ¥620

この本を始めて手に取ったのはもう13年も昔の話。
今読み返しても充分面白い、800mを専門とする生まれ育った環境も性格も正反対の野生派の中沢と理性派の広瀬、2人の高校生トゥーラップランナーが交互に一人称で物語を進める。
(トゥーラップランナーとは800m走者は一周400mのトラックを2周するところから取られている)

恋愛・友情・三角関係・SEX(同性愛も含む)など様々なエピソードがあるが読後感は爽やか。
読みやすいので読書が苦手な人でも結構さらっと読めると思うよ。
確か映画化もされてたはず。

因みに俺は物語の書き出しの中沢の台詞「なぜ800メートルを始めたのかって訊かれたらなら、雨上がりの日の芝生の匂いのせいだ、って答えるぜ。」に一発でヤラれました。
写真は12月号のもので1月号の表紙はJリーガーの三浦知良選手(後日差し替えます)

KAZUのインタビューのみを立ち読みしてきた。
内容は実際に読んでもらえば良いので割愛するが37歳になった今でもハードなトレーニングを自らに課し若手を牽引し自ら進んでボランティア活動に尽力する姿勢にただただ感服する。

インタビューに可能性は小さいくて難しいかもしれないけどW杯出場を諦めていないと語っていた。
全盛期だった頃よりも10歳もの年齢を重ね動きにかつてのキレやスピードは無くなったものの決して夢を諦めない姿勢は誰もが見習うべき事だろう。

かつて誰もが日本代表のW杯出場を絵空事だと思い込んでいた時代に「必ず日本代表をW杯に出場させてみせる」と語り失笑を買った彼は出場こそ叶わなかったものの日本代表のW杯出場に大きく貢献した。
KAZUがブラジルから帰国する前の暗黒時代を知るものにとってそれは正に奇跡だった。
今度は自分自身のために奇跡を起こして欲しい。

全盛期だった20代の頃よりも酸いも甘いも噛み分けた37歳のKAZUはとてもカッコ良い。
あと何年現役でいられるのか判らないけど彼には大きな報酬を受け取る権利があるはずだ。
ISBN:4053006015 単行本(ソフトカバー) 金田一 春彦 学研 1999/10 ¥1,785

本を読んだりネットで資料を漁る時にあると便利です。
よく耳にするけど意味が判らない言葉って結構あるじゃないですか?
そんな時もコレで調べるとスッキリ解決!
1999年発売だから新しい言葉や略語には対応していないけど大抵のカタカナ語はコレ一冊で事足りるので手放せません。
個人的には国語辞典よりも重要度が高いです。
調べたい言葉が無くても適当に流し読みしても意外な言葉の意味が判ったりして楽しいです。

以前ヤフオクで送料込みで定価の3割程度の値段で落札。
前の持ち主は殆ど使ってなかったみたいで変な折り目や汚れもなく新品同様だったので非常にお買い得だった一品。
安く買いましたが定価で買っていてもそう思ったと思います。

鋼の錬金術師 (9)

2004年11月22日 読書
ISBN:4757513186 コミック 荒川 弘 スクウェア・エニックス 2004/11/22 ¥410

いや面白いねぇ〜鋼錬は。
アニメが終わって寂しい反面原作は続いているから今後も新刊がでるのが嬉しい。

前巻あたりから段々アニメと登場人物とか設定に違いが出てきてるのでアニメとは少し違ったストーリーを楽しめて(・∀・)イイ!! 

まぁ結末はアニメスタッフに作者が原作の結末を事前に教えてアニメの最終回を製作したらしいので原作も基本的にアニメと同じ結末になると思うけど来年の夏に上映される映画がアニメの最終回のアフターストーリーだって聞いた記憶があるので原作も変わるのかな?

次の10巻が出るのは3月、今から待ち遠しい。

症例A

2004年11月2日 読書
ランダムで他のDN利用者のレビューを読んで興味を持ち図書館で借りてきた。

最初はページ数の多さに圧倒され最初のページを開くまでに数日を要したが読み始めると止まらなくなり数日掛けて読むつもりが1日で読みきってしまった。
500ページを超える本なのだが読み進むにつれ残りのページ数の少なさに不安を覚えるくらいハマってしまった。

物語は以前勤めていた病院で患者を自殺させてしまった精神科医の榊が新しい勤務先であるS精神病院で亜左美(仮名)と呼ばれる17歳の少女と面談(診察)するところから始まり亜左美の診断方法で対立する女性臨床心理士の広瀬とのやり取りで知る事となる広瀬の秘密、その秘密が亜左美の病を解明する手掛かりとなる精神病院編と首都国立博物館で学芸部員をしている江馬遥子とその博物館の金工室長の岸田が博物館に収蔵されている重要文化財の中に贋作が含まれている可能性を知りその事実解明に動く博物館編を交互に織り交ぜて進んでいく。
一見なんの関わりも無い話がやがてある人物を介して交錯していく。

この作品はとても面白いが読み終わった後にカタルシスを得る事は出来ないだろうと思う、全ての謎が解き明かされた訳でもないし亜左美の治療は始まったばかり、そして榊は広瀬の師匠である岐戸医師から託された遺志を継ぐ決心をしたところで終わってしまう、途轍もなく困難で長い道のり進む事を選んだ榊の物語には興味が尽きない、続編を望む。
ISBN:4344004949 単行本 中場 利一 幻冬舎 2004/03 ¥1,680
合併された側の社員で、出身大学による選抜というカースト制ではランク3のボク。辞めてやると思いながらも、歯を食いしばって頑張っている。なぜか? サラリーマンだからだ…。『日経ビジネスアソシエ』連載を単行本化。


主人公のカネテツこと金子哲也の屁タレ加減がどうしようもなく読んでてイライラする。
正直読んでて爽快感が全くダメな奴がダメな奴のままで周りの仲間たちは強かに自分の人生を進んでいるのにカネテツは一生このままなんだろうなって感じ。
まぁ別にそれが悪い訳じゃないけど主人公が最初から最後までダメダメな作品て珍しいよな(w

落ち込んでるサラリーマンが読んだら主人公に自分を投影して更に落ち込みそうな作品です。

PLUTO 1 (1)

2004年10月8日 読書
ISBN:4091874312 コミック 浦沢 直樹 小学館 2004/09/30 ¥550

コンビニで偶然立ち読みして冒頭を読んだだけで気に入って即購入。
元ネタは手塚治虫の鉄腕アトム地上最大のロボットという話らしいが読んだ事がないので何の違和感も無く先が全く読めない状態なので素直に楽しめた。

人間の道具として生み出されたロボット、しかしロボットにだって心はある。
ロボットとロボットの愛、人間とロボットの友情、未だ全貌を見せない迫り来る脅威!早く続きが読みたい。
ISBN:4797671165 単行本 広岡 達朗 集英社インターナショナル 2004/04 ¥1,680

これは夏前にヤフオクで安く落札したもののほぼ同時期にマネーボールを買って読んでいた為に後回しにしたまま昨日まで放置していた(^^;

で内容はタイトルにある監督論って言うのは殆ど出てこないんだけど今期から就任した新監督への評価や期待度はシーズン終了間近の今読むとナカナカ的を射ている。
特に阪神の岡田監督への評価で2軍監督時代の優勝を全く評価していないのが印象的、その理由も尤もで納得してしまった。
(2軍は若手選手に経験を積ませ育てる場なので勝ち負けは然程重要ではない上に今阪神の主力に岡田が育てたといえる選手が殆ど居ない為)

他にはFA制度やドラフトのあり方、選手の年俸に関しては2億をベース給の上限にしてそれ以上に関しては出来高で対応する等。
確かにイチローが7年連続首位打者を獲っても最高年俸は5億4千万だった事を考えると中村の5億、清原の4億5千、城島の4億は高すぎる。(タイトル獲得数やシーズンの平均成績を比較すると異常なアップ率が目立つ)
近鉄の球団命名権売却問題ではそう遠くないうちに近鉄が身売りするだろうという予言は半年もせずにオリックスとの合弁という結果が出た。

勿論すべての内容が正しいとはいえないけど頷ける主張が多かった。他には川上哲治氏への恨み節が所々に出てきていたのが笑えたかな(w

あとロッテGM時代のボビー・バレンタイン監督との確執問題にも触れていたがこれに関してもこの本を読んだ限りでは広岡氏がマスコミ等に叩かれていた事は不当だったのでは?と思った。
(マスコミが広岡氏がボビーを差し置いて現場介入したと書いていたが実はボビーには断りを入れて了承を得ていた事を知っている人は少数派だと思うので。)
これもまぁ広岡氏の一方的な言い分だから全てが正しいとは言わないが今期のボビーの采配やロッテの成績を考えるとあながち嘘でも無いだろう。
ISBN:4270000120 単行本 中山 宥 ランダムハウス講談社 2004/03/18 ¥1,680

読了。
オークランド・アスレチックスのカリスマGMビリー・ビーンがどの様に貧乏球団のアスレチックスをヤンキースと遜色無い勝率を残すチームに仕立て上げたのかを経営戦術の面から取り上げたのがこの本。

ビリーは球界の常識とは異なる経営(投資)戦略をとる。
1.高校生ルーキーよりも大学生ルーキーに投資する。
2.高打率や長打力のある選手よりも出塁率の高い選手を獲得する。
3.打点に全く価値を見出さない(チャンスに強いというふれこみは 一切信用しない。
4.投手の評価の基準は与四死球数、奪三振数、被長打率である。
5.抑え投手はトレードで獲得せずに自前で平均よりも上の選手を起用し育てセーブ数を稼がせて価値を高め高額で他球団に放出する。

ビリーが監督に指示する戦術
1.盗塁やヒットエンドランはしない。
2.送りバントもしない。
3.データを重視し左打者には左投手をぶつける等の古い風習は気にしない。(左投手を好む左打者も多く、また右投手を苦手とする左打者もいる為)

上記の戦略、戦術はビリー自身ドラフトでメッツから一巡目指名を受けるスター選手だったが大成しなかった自らの経験を教訓に古い野球経験者の意見はあまり参考にせず過去のデータを基に徹底的に選手の能力を数値化して短所を補える長所がある選手を他球団から獲得したり、他球団が指名回避しそうな隠れた逸材選手を獲得する。
今までの常識とはかけ離れた戦略・戦術だが数年に渡り結果を残し続けている。
最高総年俸1位のヤンキースと比較してアスレチックスの1勝あたりのコストは1/3以下。

日本では何か一つの成功例があるとアフォみたいに皆が皆同じ事を真似ようとするがお金が無いチームがお金のあるチームと同じ戦術戦略で戦って勝てる可能性は殆ど無いのだから独自の視点と価値観で戦うというのがビリーの戦略だ。

昨今のパリーグの近鉄・オリックス合弁問題を始めとする経営問題もこの本を読むと素人考えでは日本でもこれを参考に新しい価値観や経営戦略を取り入れればもう少し上手く経営していけるのでは?と思ってしまう。
もちろん日本はアメリカと違って放送権から得る収入の分配もラグジュアリータックスの分配も無いんだけどそれでも身の丈にあった選手獲得や選手育成は出来るんじゃないかな?
現時点でも近鉄・オリックスを始めパリーグには阪神でレギュラーに定着出来なかったお手頃な年俸の選手が多数レギュラーとして活躍しているしね。

もっとも近鉄の場合は年間40億の赤字を出し支配下登録選手全員を解雇してもまだ相当な赤字が残るらしいのでチーム戦略云々以前に会社経営のあり方自体の問題で選手の高額年俸だけが経営悪化の原因とは言えないけどね。
ISBN:4840111367 単行本 矢口 史靖 メディアファクトリー 2004/08 ¥1,050

読了。
映画では説明されていない裏設定や心理描写が載っているので映画を既に観ている人にもお勧め。
この本を読んでからもう1回映画を観るとより楽しめると思う。
ただ最初に映画を見る前に読むのはあまりお勧めしない、映画を素直に楽しめなくなる可能性があるので。

登場人物の台詞は映画同様山形の米沢弁なので意味が判りにくい台詞にはひらがなにもルビをうってあるのが斬新的だった。

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